創作童話
17.ぼくは生まれて17ヶ月
ぼくはね、お母さんが「いないいないバー」をしてくれたり、お父さんが「たかいたかい」って
持ち上げてくれたりすると、なんだか、
笑いがこみ上げてくるんだ。
楽しいってこういうことなんだね。
それから、お母さんの子守唄を聞いたり、きれいな音楽をかけてくれたり、鳥さんの鳴き声を聞いたりした時は、とても落ち着いた気分になるんだよ。
お外に出て、きれいなお花を見たり、お母さんが
お年寄りに「大丈夫ですか?」って声を
かけたりするのを見た時は、ぼくもなんだか
やさしい気分になるよ。
ぼくが、たっちして歩けた時、靴下を自分で
脱げた時、おもちゃで上手に遊べた時、
お母さんがすごくほめてくれるでしょ。
そしたら、とてもうれしい気分になって、
「もっと、やりたい」「もっとやろう」
「もっとがんばろう」って思うんだ。
でもね、ぼくが触ってはいけないものを触った時、「ダメ!」って叱られるでしょ。 そしたら、
ちょっと泣きたい気分になるんだ。
悲しいってことかな、これ。
好きなおもちゃをお友達に取り上げられた時は、
悲しいよりもっと強い気持ちになるんだ。
「それ、ぼくんだ!」って叫びたくなるんだ。
「あれあれ、そんなに怒らないで」ってお母さん
ぼくに言うから、怒るってこんな気分なんだね。
いろいろな気分って勝手に出てくるんだよね。
どこから出てくるんだろう?
ぼくには止められないよ。
大人には止められるのかなあ?
周りのことがいっぱいわかるようになったでしょ。 周りの出来事で、うれしくなったり、悲しく
なったりするんだね。
ぼくは毎日、毎日いろんな気分を味わうよ。
これってきっとすごいことでしょ?