創作童話

32.しつけに対する考え方

かつて、「子どもを自由にのびのび育てる」という教育法が

もてはやされたことがあります。

こういう教育法はたいてい、アメリカなど西洋社会から

導入されたものです。

 文化的な基盤や考え方が、日本とは正反対の国の教育法を、

そのまま日本に持ち込むことに、私はとても危機感を持っていました。

アメリカ社会で、「自由にのびのび、ほめて育てよ」という教育法が

もてはやされたのは親がしつけに厳し過ぎたからです。

自分に自信が持てない子が多かったからです。

アメリカは、個人主義の国です。 個人の力で生きていかなければ

ならない国です。 家族も地域も会社も守ってくれませんから、

社会に受け入れられ、自分の力で生きていけるように、

親は子どもを厳しく育てます。

学校は、しつけには口を出しません。 いえ、出せないといった方が

いいでしょう。 多文化、多民族、多宗教の社会である欧米諸国では、

それぞれの家庭によって、考え方が違います。 当然しつけに関する

考えも違いますから、学校がしつけに口を出すとすぐ親から苦情が

来るのです。 「うちでは、そんな育て方はしていません!」と。

しつけは親の役目ということがはっきりしています。

日本はまったく違いますね。 どちらかと言えば、学校にしつけを

期待します。 何かあっても、家族や学校や会社などの集団が

守ってくれます。 そのため、家庭でのしつけがないがしろにされる

傾向があると思います。

もちろん日本のお母さん達も子どもを叱っているのだと思います。

ただ、それがしつけにはなっていないということなのです。

子どもには、お母さんが、ただ感情的にガミガミ言っているとしか

聞こえていないのではないでしょうか? 子どもにとっては、

ただのBGMになってしまっているのです。

それとも、お母さんの言葉に、叱っているという真剣さが

感じられなくて、子どもに伝わっていないのかも知れません。

その場合は、お母さんの心の中に、「子どもに嫌われたくない」

という思いがあるのかも知れませんね。

でも、それはまったく逆効果なのですよ。

自分が危ないことをしても叱られなかったら、

「親は自分を愛していない、どうなってもいいんだ」

というメッセージだと、受けとられかねません。

愛しているなら、子どもが悪いことをした時や危ないことを

した時は、しっかり叱って、なぜ悪いのか、なぜ危ないのかを

きちんと説明してあげましょう。

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