創作童話

2.ぼくは生まれて2ヶ月

ようやく、この世のいろいろな音に慣れて

きたよ。 ベッドに寝ているだけですることが

ないから、いつも聞き耳を立ててしまうんだ。

だから、きっとお父さんやお母さんが気付かないような小さな音も、ぼくは聞いているよ。

窓の外で、ブルンブルンと音がすると、何かが

動き出すんだ。 お母さんがいる場所でトントントンって音がするといい匂いがしてくるんだよ。 お母さんが大きな音を出す物を引っ張りながらあっちの部屋、こっちの部屋と動いているのも

わかるよ。 ぼくが寝ている部屋にもやって

くる。 その音がした後は、お部屋がきれいに

なっている。 きれいなのは、ぼくにとっても

ありがたいよ。

それからね、遠くでガシャっと音がして、しばらくすると、必ずお父さんがぼくを覗きにくる。 だからもう、ぼくは、ガシャという音が、お父さんが帰ってきた合図だって知ってるんだよ。

お父さんはね、ぼくが寝ていても、必ず声を

かけてくれるよ

「おっ、よく寝てるな」 とか

「ただいまー、お父さん、帰ってきたぞ」

お父さんが帰ってきたこと、ぼくはとっくに

知っているのにね。 クス(笑) そしてね、

ぼくのほっぺをつっついたり、おててを

握ったりしてくれるんだ。 時々、ぼくが

寝ているのに、抱き上げようとして、お母さんに叱られているよね。クッ(笑)

今のぼくはね、お父さんやお母さんに

話しかけられるのが、一番好きなんだ。

「ゆう君、ねんねしようね」

「ゆう君、おなかすいたかな」

「ゆう君、ミルクあげようね」

話しかけられるのと同じくらい、

歌や音楽も好きだよ。

お母さん知ってる? お花だってね、いい音楽を聞かせると元気に育つんだよ。 いっぱい聞かせてくれるとうれしいな。

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