創作童話

27.ぼくは3歳

3歳になってからのぼくは、自分でもびっくりするくらい

言葉がわかるようになったよ。 お父さん、お母さんの言うことはほとんどわかるよ。

もちろん、初めて聞く言葉もたくさんあるけど、すぐ覚えられるんだ。

ただね、ぼく言われていることはわかるけど、自分で思っていることを言うのは、まだちょっとむずかしい。

思っていることを表現する言葉を知らないからだよ。

お母さんが習っている英語も同じなんでしょ。

パパと話しているのを聞いたよ。

「先生の言ってることはわかるんだけどね、言いたいことが言えないのよ。 ボキャブラリーが少ないからだわねえ」て。 きっと、それと同じだと思うよ。

お母さんも24時間英語を聞けたら、ぼくが日本語を覚えるみたいにすぐ覚えられるのにね。

言葉が話せたら、本当に面白いね。 いろんなことをお話したくなるよね。

そしてね、お話を聞いてもらえたら、もっといろいろ話そうって思うから、もっと話せるようになるんだよ。

お話しようと思うと、知らず知らず頭の中でお話の内容を考えているよ。 だからだんだんお話も上手になってきたでしょ。

でもね、言いたいことを伝える言葉を知らなくて、うまく伝えられない時は、もどかしくって、イライラして、腹が立ってきて、泣き叫んだりしてしまうことがあるんだ。 誰に腹を立てているのか自分にもわからないんだ。

うまく言えない自分になのか、わかってくれないお母さんになのか・・・

手に負えないぼくを前に、お母さんが困り果てているのも

よくわかっているよ。

心の中では「ごめんね」と思っているんだけどね。

それからね、ぼくはお友達と遊ぶのがとても楽しくなってきたよ。

お友達の言うこともわかるし、ぼくのいうことをお友達もわかってくれるからね。

一人でする遊びもいいけど、みんなと遊ぶととっても刺激になるよ。 だって、お友達はぼくが知らなかったことを知っていたり、ぼくがビックリするようなことができたり、楽しい遊びの方法を知っていたりするんだもの。

それにね、一人では出来ない楽しい遊びがいっぱいあるからね。

でもね、みんなと遊ぶと、言い争いやけんかをしたりすることもあるよ。 おもちゃを取られたとか、順番抜かししたとか、たたいたとか、押したとかね。

そんな時ね、みんなの様子の見ていると面白いよ。 知らん顔して遊んでいる子や、けんかを止めようとする子もいるし、ジッと見ている子もいるよ。

ぼくは、お友達がけんかを始めると「やめたらいいのに」って思うけど、口ではなかなか言えないんだ。

ぼく、もっと強くなってけんかを止めたいと思うよ。

だってけんかって良くないんでしょ。 お母さんはいつぼくに、「みんなと仲良くね」って言うものね。

ぼくは、だんだんやっていいことと悪いことも区別もつくようになったよ。 ルールもわかるよ。 わかるなら守れって言われたら、何かに夢中になるとすぐ忘れちゃうけど、えへへ・・・

でも、一生懸命聞いているつもりだよ。 ちゃんと守らなきゃという気持ちもあるんだよ。

大きいお兄ちゃん達が守らないと、「どうして守らないんだ!」って腹がたつもの。

本当はいつもいい子でいたいと思うよ。

でも逆にね、ぼく時々、お母さんに言われたことにとても腹が立つことがあるの。

お母さんの言うことは正しいし、わかるんだけど「いやだ!」って思ってしまう。

どうして「いやだ」って思うのか自分でもよくわからない。 素直になれないんだ。

「今はこれがしたいんだ!」 とか 「行きたくない!」 「やりたくない!」「食べたくない!」「着たくない!」  「寝たくない!」 って強く思ってしまうんだ。

お母さんがとっても困ったり、腹を立てたり、イライラしているのもわかるんだけどそう思う気持ちを抑えられないの。

お父さんやお母さんはそんな風に思うことないのかなあ?

「今これがしたい!」とか「今はしたくない!」とか。

大人はそんな時、どんな風に我慢しているんだろう?

大人はきっと、いっぱい我慢する練習をしてきたんだよね。

ぼくも、我慢する練習をするからね。 

お母さんたいへんだと思うけど、練習に付き合ってくれる? ぼくには、お母さんの力が必要なんだ。

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