創作童話
1.子どもは大きく育つ種
生まれたばかりの赤ちゃんは、みんな小さな種です。
やがて大きく花開く素質を内に秘めていますが、まだ種を受け入れる
栄養たっぷりの土も水もありません。
これからお母さんが、土になり、水になってその種を育ててあげるのです。
子どもにとっての遺伝的特徴や、地理的環境、家系的環境や人的環境や
社会的環境は、ほとんど変えることはできません。
それらは生まれながらに設定されているものだと思うしかありません。
でも、唯一、家庭環境だけは、お父さんとお母さんの力で、良くも悪くも
できるのです。 そして、子どもに最も大きな影響を与えるのは、
この家庭環境と言っても過言ではありません。
中でも、乳幼児期の子どもと、長い時間を共に過ごすお母さんの影響が
一番大きいと言えるのです。
我が子という種に適した土となって、花をきれいに咲かせることが
できるでしょうか?
きれいな色になってくれるでしょうか?
良い香りを放ってくれるでしょうか?
人にかわいいと思ってもらえるような花になるでしょうか?
それとも、水をやり過ぎて、腐らせてしまうのでしょうか?
枯れてしまって人から見向きもされない花に
なってしまうのでしょうか?
可能性をいっぱい秘めた我が子を前に、夢が膨らむと同時に、
「これからどうしたらいいんだろう」と考え込んでしまいますね。